血便と下血の違いについて
血便と下血は、医療関係者でも使い分けがあいまいになっていますが、医学的には、実は異なる病態を定義している言葉です。
下血は、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸といった消化管全体のどこからか出血が起こっている状態を意味する言葉です。出血した血液が便として出てきている状態を総称して下血といいます。口から血を吐く状態を表す言葉である「吐血」に対して、肛門から血が出る状態を総称した言葉が「下血」です。
一方、血便は下血の中でも下部消化管(大腸)からの出血のみを表す言葉として定義されています。下血は、上部消化管(食道と胃、十二指腸)からの出血も含む食道から大腸までの全消化管からの出血を表す言葉として定義されているのに対して、血便は下部消化管(大腸)からの出血のみを表す言葉として定義されているという点が異なります。
下血
消化管全体(食道、胃、十二指腸、小腸、大腸)のどこからか出血が起こっている状態を表す言葉
血便
下部消化管(大腸)から出血が起こっている状態を表す言葉